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酒井法陥没乳頭手術とは

酒井法陥没乳頭手術とは

乳頭が乳輪平面より下へ潜っている状態を陥没乳頭といいます。写真1のような乳頭の状態をいいます。このような状態は思春期ころの女性に、外見上の精神的な苦痛はもとより、妊娠出産しても授乳が行えないなどの機能的な問題も出てきます。これを修正する手術は非常に難しく、他院で手術してもすぐにもとに戻ってしまったと来られる方も多く見かけます。

 

写真1(重症陥没乳頭、術前)

酒井法では、潜った乳頭を引き出すため、中をよく見るように潜った乳頭の中へ直接切り込んで、開いて行って乳管部分をよく観察し、乳管を出来るだけ切らないで周囲の引きつっている部分を解除しつつ(写真2)、乳頭を持ち上げる方法で、授乳機能を温存することが出来ます。

写真2

このような方法で手術がうまく行っていれば

写真2のように乳頭を突出させて、お乳を出るように出来ます。

写真3、術後(授乳が可能です)

手術は日帰り局所麻酔で、両側1時間ほどで終わります。ただ乳頭が再陥没しないように突出した乳頭の頸部を締めつけて治そうとすると、乳頭が壊死に陥り、乳頭欠損になってしまい、これは大変な合併症となります。術後の何かピアスや吊り上げ糸で吊り上げていなければならない方法は、剥離して突出させ方が不十分なのです。糸を切ればもとに戻ることが多いのです。

 術後の痛みも鎮痛剤で収まり、問題となったことはありません。

この方法の考え出した酒井は1000例以上にこの方法を用いて良好な結果を出しています。

 

他院で手術後戻ってしまった陥没乳頭では、瘢痕だらけで、非常に難しいのですが、酒井はこれをよく治しています。ただ乳管がやられているので授乳は非常に難しくなります。

​写真4、他院失敗の陥没乳頭と酒井法による修正術前術後

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陥没乳頭の手術は簡単ですか? 
→ これを修正する手術は非常に難しく、他のクリニックで修正術をうけても2カ月くらいでまたもとに戻ってしまったと言って当科へ来院する患者さんがたくさんおられます。とある大学の形成外科の教授は医局員に「難しいから絶対に手を出さない方がいい手術がひとつだけあり、それが陥没乳頭だ!!」と言っておられます。他のクリニックでは手術しても50~60%くらいしか治らないといわれたり、またすぐもどることもあると言われることもあり、また古い健康雑誌にも60%くらいしか治らないと書いてあることもありますがそれは間違いで、当院の酒井成身が酒井法で手術を行えばほとんどの陥没乳頭は修正されていて酒井はこの陥没乳頭の手術に最も力を入れていて、国内外の学会で発表し好評を得ています。

よくある質問

酒井法とはどんな方法ですか? 
→ 酒井成身が30年ほど前に開発した酒井法は、潜っている乳頭の中を開きつつしっかり観察しながら、乳管をできるだけ切らず温存して、乳頭を引きこんでいる引きつった組織を分離剥離し陥没を修正する方法で、形成外科の教科書にも載っていて、また出来るだけ乳管を温存するので術後授乳が可能です。ただよそのクリニックで手術をされ再陥没した場合は瘢痕拘縮が強く、非常に手術はやりにくく術後授乳が無理になることがほとんどです。

手術は日帰りですか?
→ 手術は日帰りの外来手術、局所麻酔で出来ます。始めれば両側で40分から​1時間ほどで終わります。術後は乳頭部を刳り貫いたガーゼでカバーします。もぐりこんだ陥没乳頭を持ち上げると皮膚がない部分が出来ますが、2~3週間ほどで皮膚が出来てきますので、途中あまりガーゼを変えると出来てきた皮膚が剥がれてしまいますので1週間ごとに通院していただき2~3回ガーゼを変えます。

術後入浴はできるのですか? 
→ 途中はガーゼの上に薄いビニールのカバーをしますのでそれを剥がさないようにしてシャワーも出来ます。

抜糸やその後の処置は? 
→ 抜糸は2週間~1か月ぐらいで行っています。2~3週間でガーゼが取れた後は、レストンスポンジというスポンジで乳頭部分を刳り貫いてドーナツのようにして貼って、乳頭を守ります。このスポンジは半年~1年くらい続けることがいいでしょう。抜糸が済んだ後は、術後1か月目、3か月目、半年後、1年後と経過を見ていきます。酒井成身は自分で手術した患者さんは医者を続けている限り自分で診てあげることをモットーとしていますので何年でも経過観察の診察にいらして下さい。

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